事業復活支援金の申請受付を開始
経済産業省はこのほど、新型コロナウィルス感染症(以下「コロナ感染症」と呼ぶ)により大きな影響を受ける、中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金を支給する「事業復活支援金」の申請受付を開始した。本制度の概要については昨年12月29日付け記事「事業復活支援金の概要」で紹介済であるので、今回は申請に当たって留意すべき点について幾つか触れていきたい。
まず事前確認について、既に一時支援金又は月次支援金を受給している場合には不要とされている。実施主体が同じであることを考えれば至って順当な対応であり、おそらく多くの事業所にとって比較的スムーズな申請が可能になると考えられる。また申請書類についても、その大部分について一時支援金・月次支援金申請の際に提出した書類を用いることが可能であり、こちらも申請の簡素化に大きく結びつくであろう。
次に、コロナ感染症の影響に関して一層具体的に例示されている。例えば、「売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合は給付対象外である」といった、至極当然と思われる事項についてもわざわざリーフレットに明示されている。これについては、持続化給付金の時のように誤った申請が多発しないよう、これまで以上にしっかり対応して欲しいところである。
さらに興味深い点としては、「差額給付申請」が挙げられる。例えば年間売上高1億円以下の中小企業について、令和3年11月売上が基準年月と比べて30%以上50%未満の売上減少率であったため60万円の支援金を受給した後、令和3年12月~令和4年3月のいずれかの月の売上高が、基準年月と比べて50%以上の売上減少率であることが確認できた場合、基本的には差額(例えば100万円-60万円=40万円)の追加申請が可能となる予定である。こうしたケースは多くの事業所で十分起こり得ることが予想され、私も初めてこの制度概要を目にした際、この追加申請の可否については気になった。仮に申請は(例外なく)1回のみであると厳格に定められた場合、令和4年3月の売上確定日まで申請を行わないという状況が発生することとなり、これは給付の迅速化という制度の主旨に照らした場合には好ましくない。
最後に、2019年~2020年に開業した事業者や、2021年11月から対象月の間に個人事業者から法人化した者などについては、「新規開業特例」「法人成り特例」等の各種特例が設けられている。特例自体はこれまでも存在していたが、適用要件・計算方法や申請受付開始日などが異なるので、該当する事業所についてはしっかり確認しておく必要がある。
なお、詳細は中小企業庁のホームページ参照。