収受日付印の押なつ廃止
現在申告書や各種申請・届出書(以下「申告書等」と呼ぶ)を税務署に対して書面で提出した場合、提出書類に加えてその控にも収受日付印が押印され、それら申告書等の控を受領することにより、納税者は申告書等の提出事実及び提出年月日を確認することができる。しかし令和7年1月以降は、国税に関する手続き等の見直しの一環として、申告書等の控えに収受日付印の押なつは行われないこととなる。従って、今後書面により申告書等を提出する際には、納税者自身により申告書等の控の作成及び保有、提出年月日の記録・管理を行っていく必要がある。
収受日付印以外で申告書の提出事実及び提出年月日の確認を希望する場合におけるその確認方法としては、まずETAXを利用した申告書等を提出することが挙げられる。ETAXの利用率は毎年向上しており、令和4年度における所得税申告の利用率は65.7%に達し、4年前の平成30年度と比較すると20%以上増加している。また、国税庁においても納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX))を進めているところである。最初は操作面等で諸々苦労するかもしれないが、慣れてしまえばその利便性を実感することができることだろう。
次に、「申告書等情報取得サービス」の利用が挙げられる。具体的には、所得税の確定申告書、青色申告決算書及び収支内訳書について、パソコン・スマートフォンからETAXを利用してPDFファイルを無料で取得することができる。さらに、税務署が保有する個人情報に対する開示請求により提出した申告書等の内容を確認することができる「保有個人情報の開示請求」や、税務署の窓口で自身が過去に提出した申告書等を閲覧することができる「税務署での申告書等の閲覧サービス」、或いは「納税証明書の交付請求」は、パソコン操作が不慣れな方にとっては現実的な対応となるかもしれないが、税務署に出向く手間や待ち時間、交付手数料がかかってしまうことが難点と言えよう。
特に所得税等の確定申告については、現在もETAXの操作が不慣れな高齢者などを中心に書面提出者が一定の割合を占めており、そうした方々にも十分配慮した上でのDX化の推進が求められよう。なお、詳細は国税庁のホームページ参照。