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社会保険労務士試験の特徴

 社労士試験が他の国家試験と比べて異なる点は幾つかあるが、まずはその試験時間の長さが挙げられる。試験は午前と午後に分けて行われ、午前の80分は他の試験と比べても違和感はないが、午後は3時間半(トイレ退出は許可制)という大変な長丁場になる。並の人間にとって集中力を切らさずに3時間半を乗り切ることは決して容易ではないため、自身の体力・精神力と相談しながらペース配分を行っていく必要がある。

 2つ目の特徴としては科目数が多く、かつ1科目でも最低基準点を下回ると(他の科目がどれだけ得点できても)不合格になってしまうという点である。このいわゆる「足切り」については、私が受験した当時の日商簿記検定1級や中小企業診断士試験でも同様のルールが存在した。しかし、それらの足切りラインはいずれも40%であったのに対して、社労士試験の午前中に実施される「選択式」試験の場合には原則60%という厳しいラインが設定されている。具体的には、選択式の1科目当たりの出題数は5問であるので、原則として3問以上正解しなければ他の成績の良し悪しにかかわらず不合格になる(但し、受験者の平均点が一定の基準を下回った場合には、その足切りラインが下回ることもある)。端的に言えば、苦手科目を作ることは絶対NGということである。

 最後に、上記の足切りにも関連するが、市販本や予備校のテキストに記載されている内容を完全にマスターしたとしても、不合格となってしまうことも十分起こり得るという点である。具体的には、テキストには載っていない直近の統計や白書から時事的な内容が出題されることも少なくなく、過去の本試験ではこうした難問・奇問とされる問題の出来不出来が合否に影響したこともあったようである。

 加えて厄介であるのは、社労士試験の出題方式は原則4択又は5択であるので、十分に学習が進んでいない受験者であっても難問・奇問を20~25%の確率で正解してしまうかもしれないという点であり、これは上記の選択式の足切りラインの設定にも大きな影響を与えることになる。例えば税理士試験は原則選択式の問題はないので、難問は皆が得点できない没問と考えてスルーすれば良いわけであるが、社労士試験では(基本的な思考は同じなのだが)それが通用しないケースも起こり得るということである。個人的には、社労士試験の選択式については、他の試験以上に「運」の要素が影響すると考えており、私自身も2度目の受験の際にはこの点だけが唯一の心配要素であったことを今でも鮮明に記憶している。但し、本件は令和3年本試験までの状況であり、令和4~5年の選択式の出題は比較的易問が多く、かつ今後も同様の傾向が続く可能性が十分ある点には注意を要する(以降も同様)。

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