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コロナ対策給付金・支援金事業の終了

 現在申請受付中である「事業復活支援金」の申請期限については、このほど6月17日(金)に延長されたが、一方で今後新たな給付金・支援金事業(以下「給付金事業」と呼ぶ)は予定していない旨の新聞記事も目にした。参議院議員選挙を控え、今後各党の公約において給付金事業の継続・拡充を掲げるケースも十分あり得るためこの点は何とも言えないが、単純なバラ撒きではなく利便性の高い融資制度や補助金の拡充を通じて、意欲ある中小企業を対象とした継続的な支援を図っていく方向性については、個人的に概ね賛成である。

 給付金事業は、令和2年の持続化給付金を皮切りに、家賃支援給付金・一時支援金・月次支援金などが登場し、先の新聞記事によれば給付は2年間で約852万件、金額ベースでは7兆円超とのことである。本給付金事業が、コロナ禍で厳しい経営を強いられている中小企業にとっての助け舟になったという点を否定するつもりはないが、果たして支出規模に見合った効果があったのかという点については、やや懐疑的である。その理由としては、2年前から度々述べてきたように、①申請が簡便である反面、不正受給が多発しうる、②必ずしも事業特性・規模に応じた弾力的な支援スキームになっていない、③緊急的な支援を必要としない事業所も申請が可能、などが挙げられる。

 ①については、持続化給付金の際に社会問題になったことで、専門家や各種支援機関による事前確認制度が導入された。しかし、一事業所に対する事前確認に費やせる時間を考えた場合、特に初見の事業所に対する確認レベル・内容は相当限定されるものになると考えられる。また、1者が複数の会社を経営している場合、各会社が別個に申請できる恩恵を享受したケースも少なからず存在したものと考えられる。

 次の②は、やはり年商3百万円の法人と1億円の法人が同じ給付額といった点についての不公平感は否めない。無論給付スピードとの兼ね合いもあるが、例えば事業規模(売上・従業員数)に応じた定額部分と、所得金額や納税額などに応じた比例部分とのミックスバージョンであれば、ある程度の不公平感を解消できた可能性がある。

 最後の③は、月々の売上変動が激しいものの年間売上高はコロナ前と変わらぬ事業所については、一定の要件を満たせば申請可能であるのに対して、毎月平均的に25%売上が減少している事業所は申請を行えないという制度上の問題があった点を指摘しておきたい。実際当所の関与先においても、大変厳しい経営環境下であるにもかかわらず、後者に該当したために申請対象外となったケースがあった。

 無論、万人にとって公平と思える制度を構築していくことは極めて難しいだろうが、できる限り多くの利用者による一層の納得と理解を得られる制度設計が強く期待される。

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