1. HOME
  2. ニュース
  3. 中小企業に対する固定資産税等の減免措置 

NEWS

お知らせ

税理士業務

中小企業に対する固定資産税等の減免措置 

 政府は去る4月、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ感染症」と呼ぶ)緊急経済対策に関する様々な税制上の措置を講じたが、これらの中で来年度の中小企業等の納税に大きな影響を与えうる施策が「中小企業等に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置」である。

 まず、本軽減措置の対象となる納税義務者は、コロナ感染症の影響により一定の収入減少があった中小事業者等で、令和3年2月1日(月)までに東京都税事務所宛に所定の申告書等を提出した者と定められている。次に、肝心の軽減割合についてであるが、令和2年2~10月までの間における任意の連続する3ヶ月の事業収入が、前年の同期間と比べて30%以上50%未満減少している場合には2分の1、同50%以上減少している場合には全額がそれぞれ軽減される。

 続いて、軽減対象となる資産は「事業用家屋」及び「償却資産」であり、「土地」は含まれない。また、個人事業主が所有する自己の居住用家屋は対象外であるが、例えば事業用と居住用が一体となっている家屋については、事業専用割合に応じた部分が軽減の対象となる。最後に提出書類について、東京都の場合には①特例申告書(認定経営革新等支援機関等の確認が必要)、②特例対象資産一覧(事業用家屋を所有する場合)、③収入が減少したことを証する書類、④(個人事業主で事業用家屋を所有している場合)特例対象家屋の事業専用割合を示す書類、の4点が定められている。

 本減免措置について、おそらく多くの納税者が誤解しやすいと考えられる点は、収入減少の判定期間である。既に多くの中小企業者が給付を受けている「持続化給付金」「家賃支援給付金」や「国税の特例猶予制度」などについては、1か月間の事業収入を前年同期と比較することでその適否を判定する。しかし、本制度の判定期間は3か月間であるため、例えば上記の給付金等を受けていても、本制度の適用要件には該当しない可能性は十分ありうる。ちなみに、本制度における事業収入の要件は、「一般的な収益事業における売上高と同義であり、給付金・補助金収入・事業外収益などの一時的収入は含まない」と定められており、この点については上記の給付金と同様である。

 さらに、上記給付金等は原則として専門家等による確認・署名は不要であったが、本制度では特例申告書の裏面に「認定経営革新等支援機関等(以下「支援機関等」と呼ぶ)確認欄」があり、そこに支援機関等に記名・押印をもらうことが必要となる。この支援機関等には、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行うものとして国から認定を受けた「認定経営革新等支援機関」に加え、税理士・中小企業診断士、各地の商工会議所・商工会・青色申告会なども含まれる。従って、税理士が関与している事業所の場合には、その関与税理士に依頼することがスムーズであり、税理士が関与していない場合には地元の商工会議所や青色申告会に依頼することが考えられる。

 最後に、個人事業主で事業用家屋を所有している場合に添付が必要となる、「特例対象家屋の事業専用割合を示す書類」については、青色申告決算書や見取り図など事業用部分の割合がわかる書類の写しを添付する必要があると定められている。これについては、事業・家事共通経費を按分する際に使用する割合が帳簿や決算書等に明記されており、かつ見取り図においてその割合が合理的であることが必要と考えられる。

 なお、詳細は東京都のホームページ参照。

最新記事

料金プラン(法人)

料金プラン(個人)

料金プラン(法人・個人)