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高額療養費制度の概要

 先月から今月中旬にかけて、高額療養費の負担上限額の引き上げに関するニュースが新聞やテレビなどで頻繁に取り上げられ、その際に高額療養費制度について関心を持たれた方も多かったのではないだろうか。そこで今回は同制度の概要について紹介し、次回は税務の観点から払い戻しを受けた高額療養費の確定申告時の取扱いについて説明していきたい。

 まず、高額療養費制度をごく簡潔に説明すると、1か月間で自己負担した医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合、その超過分を患者に払い戻す制度のことである。例えば高額な治療を受けた場合や長期間入院した際には、患者の経済的負担が増大することで適切な医療を受けられなくなる可能性が懸念され、こうした患者の不安を払拭することなどを目的としている。

 次に、具体的な自己負担限度額については、患者の年齢や所得などによって異なり、かつその制度設計も複雑であるため一概に説明することは困難であるが、その原則的な取扱いについて主なポイントのみ簡潔に紹介すると、①年収が高い患者(世帯)ほど自己負担限度額が高い、②70歳を境としてその対象範囲や集計方法などが異なる、③高額療養費の払い戻しを受けた月数が直近12か月間で3月以上あった場合には4月目から自己負担限度額が引き下げられる、などである。ちなみに社会保険労務士試験(健康保険法)では、年収別の自己負担上限額を求める計算式やその金額、及び高額療養費制度の対象外となる治療内容などを覚える必要があり、健康保険法の学習を進めていく上ではなかなかの難所であった。なお、冒頭で触れた見直しの概要は、この自己負担額の上限を引き上げるというものであり、この引上げに対して患者団体などが強く反発したことにより、この記事を作成している令和7年3月20日時点では、予定していた負担上限額の引き上げを見送った上で改めて方針を検討・決定する旨を石破総理大臣が表明している。

 続いて高額療養費制度を申請する場合、その申請期限は診療を受けた月の翌月の初日から2年間であり、集計は前述の通り各月の1日から末日までの1か月単位で行われる。従って、例えば1月10日から2月10日まで診療を受けた場合には、1月10日~1月31日と2月1日~2月10日までで自己負担額を分け、各月において自己負担限度額を超えた分がそれぞれ払い戻される(それぞれの月の分の申請が必要)。さらに高額療養費の払い戻しには通常3か月以上かかるため、あらかじめ所定の手続きを行っている場合を除き、払い戻しまでの期間は一時的に患者の自己負担となる。

 なお、詳細は全国健康保険協会のホームページ参照。

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