小規模事業者持続化補助金の申請を受付中
中小企業庁では現在、小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する「小規模事業者持続化補助金」の申請を受付けている。
対象者は、常時使用する従業員数が業種毎に定められている人数以下であるなど一定の要件を満たす法人や個人事業主等であり、例えば①パンフレット・ポスター・チラシ等を作成及び広報媒体等を活用するために支払われる広報費、②新商品等を展示会等に出展又は商談会に参加するために要する展示会等出展費、③新商品の試作品や包装パッケージの試作開発に伴う原材料・設計・デザイン・製造・改良・加工するために支払われる新商品開発費、など幅広い経費が対象として認められている。
次に、補助率は原則として3分の2(上限は50万円)であるが、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者(インボイス特例)や、補助事業実施期間に事業場内最低賃金を申請時より+50円以上とした小規模事業者(賃金引上げ特例)については補助上限額が上乗せされる他、賃金引上げ特例のうち赤字事業者については補助率が4分の3に引き上げられる。続いて申請書類については、直近年度(年)の確定申告書など一般的に想定しうる添付書類に加えて、商工会議所又は商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必須であるため、必ず受付締切日までに確実に入手しておく必要がある。加えて、社外の代理人のみで商工会議所等への相談や発行依頼を行うことはできない点にも注意が必要である。
さらに、申請書類の審査に当たっては、公表されている審査ポイントに基づき行われるとともに、一定の要件を満たす場合には加点措置が講じられる。具体的な加点項目については、重点政策加点が赤字賃上げ加点や事業環境変化加点など4項目、政策加点は事業承継加点や経営力向上計画加点など10項目であり、重点政策加点及び政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択することができる。
事業支援計画書(様式4)交付の受付締切日は令和7年11月18日(火)、申請受付締切日は令和7年11月28日(金)であり、採択発表は申請受付締切日から概ね2~3か月後とされている。本補助金は、比較的使い勝手が良いことに加えて、申請までのハードルも他の補助金と比べて決して高くないので、これまで補助金とは縁がなかった事業者であってもその活用を検討してみても良いかもしれない。また、地方自治体でも類似の補助制度(足立区が実施する補助制度については、令和7年5月1日付け記事「足立区が小規模事業者等経営改善補助金の申請受付を開始」を参照)を実施しているケースが多いので、それらの概要も参照した上で事業所にとって最も効果的と考えられる制度を利用していくことが好ましいだろう。
なお、詳細は小規模事業者持続化補助金事務局のホームページを参照。