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税理士業務

商品券を受け取った場合における税務上の取扱い

 先日、石破総理大臣が新人議員15人に対して商品券10万円を配布したことが大きな問題になった。その後大臣自ら法令違反はない旨を説明したが、世論からは道義的な問題を指摘する声が強く挙がり、本問題が発覚した直後には内閣支持率が急落するなど、現在に至るまで厳しい政権運営を強いられている。そこで本稿では、今回問題となった「商品券」をキーワードとして、その受取り側の税務上の取扱いをケース別に見ていきたい。

 まず、個人が(業務とは無関係の)個人に対して商品券を贈与した場合、その金額によっては商品券を貰った個人側において贈与税が課される可能性がある。この点については、昨今生前贈与に対する関心が急速に高まっていることもあり、比較的イメージしやすい論点であるだろう。

 次に、会社員がその業務に関連して取引先から商品券を受け取った場合の課税関係であるが、結論から言えば所得税法で定められている所得のうち「雑所得」の申告が必要となる可能性がある。但し、仮に給与所得以外の他の所得(不動産所得・一時所得など)がない場合、この雑所得の金額の合計額が20万円以下であれば基本的に所得税の確定申告は不要であるため、例えば年2~3回に亘って3~5万円相当額の商品券を受け取っていたとしても、基本的に所得税の課税は生じないことになる。ちなみに、法人が取引先から商品券を受け取った場合には「雑収入」として処理する必要があるが、特に少額であると記帳漏れを起こしやすいため十分注意したいところである。

 続いて、会社が創業〇〇周年を迎えたことにより、その会社に勤務する従業員が一律1万円の商品券の支給を受けた場合の取扱いであるが、こちらは給与等として課税の対象になる。社会通念上妥当な祝金関連は非課税所得に該当すると考える方もいるかもしれないが、こうした取扱いを受けるのは記念品に係る経済的利益に限られるため、記念品に代えて支給する金銭等(商品券を含む)については給与等として課税の対象になる。一般納税者の目線から見ればなかなか厳しい取扱いであるが、本件は国税庁のホームページにも明確に記載されている。一方、社会保険における取扱いは所得税法とは大きく異なる。詳細は割愛するが、例えば事業主が長期勤務者に対して支給する永年勤続表彰金に関しては、仮に金銭等による支給であったとしても、一定の要件を満たす支給形態であれば原則として報酬等に該当しないものとされている。従って、毎年の定時改定や随時改定の際には税法と同じ取扱いで処理することのないよう注意する必要がある。

  なお、創業記念品として商品券を支給した場合の取扱いについては、国税庁のホームページ参照。

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