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償却資産申告に当たっての留意点

 先日、昨年設立した関与先事業所から「東京都税事務所から償却資産の申告書類が到着した」との連絡があった。関与開始後の面談時に同書類が届いたら当所宛一報して欲しい旨を依頼しており、その依頼を踏まえての連絡であった。本申告の概要については約1年前に紹介しているが(令和6年7月24日付け記事「償却資産の申告とその範囲」を参照)、法人税や消費税と比べると一般納税者の認知度は高くなく、故に誤った解釈をしているケースも少なくないと考えられることから、今回は前回触れていなかった論点も含めて誤りやすいポイントを幾つか紹介していきたい(以降は令和7年度分の東京都のケースについて説明)。

 まず、本申告書が事業所宛に送付される時期は原則として12月中であり、賦課期日(1月1日)時点で所有している一定の資産をその年の1月末日迄に申告する必要がある。具体的には、令和7年度分の申告書は令和6年12月中に送付され、令和7年1月1日時点における所有状況を令和7年1月末日迄に申告する。但し、新設法人の場合には上記とは異なるサイクルであり、例えば上記の事例では申告書類は令和7年7月に到着し、申告期限は令和7年8月1日であった。

 続いて、申告書の作成・提出に当たって注意したい点は幾つかあるが、まずは申告対象資産である。今回の事例では他人から賃借した建物に造作工事を行っていたのだが、この工事は申告対象となる。こうした工事に係る支払金額は高額になることも多く、償却資産税額に大きな影響を及ぼす可能性がある。また、法人設立時に購入することが多い少額な固定資産(テレビ、パソコン、応接セットなど)についても、一定の場合を除いて取得価額10万円以上の資産は対象となるので、貸借対照表の固定資産勘定だけを確認して申告書を作成してしまうとこうした資産が漏れてしまうことが起こり得る。

 次に賦課期日の1月1日に関して、法人税の減価償却のように事業供用開始又は取得時点など、どのような状況下にある資産が対象になるのかという細かい論点がある。例えば、12月に取得して年明けの1月に事業供用した場合などが挙げられるが、正解は「賦課期日時点で事業の用に供することができる状態にあるもの」であり、よって遊休又は未稼働の資産であっても対象になりうる。

 さらに申告書の提出先に関しては、償却資産のある市区町村の役所(東京23区の場合には都税事務所)である。例えば本店を自宅として、自宅とは別の自治体に事業所を設けた場合には、その提出先について十分注意する必要がある。なお、詳細は東京都のホームページ参照。

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