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ふるさと納税の返礼品に係る課税関係等

 今年も残すところ1か月を残すのみとなり、例年同様にふるさと納税のCM放送が増えている。先日関与先と面談した際にもこのテーマに話題が及び、その時に尋ねられた質問が「ふるさと納税の返礼品(以下「返礼品」と呼ぶ)に対して税金はかからないのか?」という内容。これまで尋ねられた質問の大半が、ふるさと納税を行った場合の寄付金控除に関するものであったので若干戸惑ったが、以前国税庁のホームページで確認した内容に基づき回答を行った。

 結論として、本返礼品は「一時所得」に該当するが、その年中における一時所得の対象となる収入金額が50万円以下であるときは、課税関係は生じない。この場合、返礼品の価額をどのように計算するのかという点が問題となるが、これについては平成29年に総務省が地方自治体宛に発出した通知(寄付金に対する返礼割合を30%以下にする)に基づき、寄付金額の30%を一時所得の対象となる収入金額として計上しておけば、基本的に税務上の問題が生ずることはないと考えられる。

 従って、仮に返礼品以外に一時所得に該当する収入がなかった場合、約165万円までの寄付であれば返礼品に対して所得税等は課されないことになるので、余程の高額寄付者でなければ、返礼品のみをもって一時所得が課されることはないだろう。一方、例えば満期保険金を一時金として受領するなど他の一時所得がある場合には、法令上は一時所得の対象となる収入金額を合算した上で申告が必要となるので注意が必要である。

 また、返礼品に類似する論点として、株主優待券に対する課税関係についても簡単に説明しておきたい。株主優待制度とは、一定の株数以上を保有している株主に対して、配当金以外の物品やサービスを贈呈する制度のことである。こちらも返礼品と同様に経済的利益として課税対象となり、その時価相当額が「雑所得」に該当する。但し、例えば雑所得の合計額が20万円以下のサラリーマン(給与所得以外の所得がない者)の場合には、所得税の課税関係は生じない。一方、個人事業主として毎年確定申告を行っている場合や、株主優待券の時価総額が20万円超となるようなケースでは、原則として所得税の申告が必要となる。

 以上、いずれも一般納税者にとって比較的馴染み深いテーマであるので、失念することなくしっかり確認しておきたいところである。

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