国税庁が申告所得税等の申告・納付期限を延長
国税庁はこのほど、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナウィルス」と呼ぶ)の拡大防止の観点から、申告所得税及び復興特別所得税、贈与税及び個人事業者の消費税及び地方消費税の申告・納付期限について、令和2年4月16日(木)まで延長することを発表した。
毎年この時期になると、多くの納税者が確定申告書作成に関する相談や提出のために税務署や各地域に設置されている無料相談会場を訪れる。私も2月中旬に足立区役所で実施された確定申告無料相談に従事したが、例年同様に会場内は大変混雑しており、コロナウィルスの感染防止にとって決して好ましくない環境であったと記憶している。無論、確定申告会場に出向くことなく、自宅等からスマホやパソコンなどでインターネットにより電子申告(E-TAX)を行えば、こうした状況を回避することは可能であるが、一定の準備が必要であることに加え、特に高齢者にとってはハードルが高いと考えられる。従って、これらの状況を踏まえて発表された今回の措置は、政府の方針に沿った順当な決定であると言えよう。
今回特例措置の対象となる税目は、本来の申告・納付期限は3月16日(月)であった申告所得税及び復興特別所得税、贈与税、及び同じく3月31日(火)であった個人事業者の消費税及び地方消費税であり、法人に係る税目は対象外となっている。
さらに、令和1年分の還付申告を行う場合には、必ずしもこの期間内に申告する必要はなく、令和6年12月31日まで申告することが可能である。従って、コロナウィルス感染防止の観点から考えた場合には、混雑するこの期間内はできる限り避け、落ち着いた時期に税務署に出向くことが好ましいと考えられる。
なお、詳細については国税庁のホームページ参照。