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医療保険制度改正法の成立

 将来にわたり我が国の医療保険制度を持続可能なものとしていくために、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、全世代を通じて医療保険制度に対する信頼や納得感を維持・向上させる観点から、給付と負担の見直しを行うことを目的とした「健康保険法等の一部を改正する法律案」が5月29日に成立した。メディアでは、OTC類似薬の薬剤給付の見直し(負担増)が特にクローズアップされていたようであるが、今回は厚生労働省の公表資料をベースとして他の改正項目についても紹介したい。

 まずOTC類似薬とは、処方せんがなくても薬局やドラッグストアで購入できる医薬品のことであり、風邪薬や頭痛薬など多種多様な医薬品が該当する。今回の改正では、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける場合と、保険を使わずOTC医薬品で対応する場合の公平性を踏まえ、日常的な医療に用いるOTC医薬品でも代替可能な医療用医薬品の保険給付の範囲が見直され、該当するOTC医薬品については別途の負担(薬剤料の4分の1)がかかる。但し、こどもやがん患者・難病患者などには、この別途の負担について配慮措置が検討される。個人的には本改正の理由について納得できるが、やはり負担増となる方々に対する一定の特例や経過措置は必要であると感じる。

 次に、高額医療費の自己負担について、新たに年単位の上限額が設けられる。これにより、例えば多数回該当(年に4回以上高額療養費に該当する方の自己負担を更に軽減する仕組み)に該当しなかった場合や、極めて高額な医療を受けた場合であっても、年間上限に該当すれば負担が軽減されることとなった。ちなみに、社会保険労務士試験の受験生であった頃は、月単位の所得段階別や多数回該当時の自己負担上限額の暗記に苦労したことを今でも記憶している。

 続いて後期高齢者医療制度において、確定申告の有無にかかわらず、窓口負担割合や保険料の判定に当たって金融所得も含めることとなった。同額の金融所得を得ていても、確定申告の有無によって医療費の自己負担額に差が生じうる点については従前から違和感があったので、この改正は至って順当なものと考えている。一方、日経平均株価が連日最高値を付ける中にあって、最近高齢者が株式投資にデビューするケースは増加しているものと考えられるが、収入や所得金額などによっては医療・保険関連の支払額が大きく増加する可能性も有り得る点には注意が必要である。

 最後に、出産の標準的な費用に自己負担がかからないようにするなど、妊娠・出産に対する支援の強化が挙げられる。つい最近も、国勢調査の速報として日本の人口が直近5年間で約300万人減少した旨の報道があり、こうした少子化対策は必須と言えよう。

 なお、詳細は厚生労働省のホームページを参照。

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