法人設立時における創立費等
法人の設立に際して発生する登記費用や開業準備のために支出した一定の費用は、創立費又は開業費として損金処理することが可能である。
「創立費」とは、法人を設立するために生じた費用であり、具体的には設立登記に係る登録免許税や司法書士報酬などが挙げられる。一方「開業費」は、法人設立後事業を開始するために特別に支出した費用を指し、旅費交通費・市場調査費・広告宣伝費などがある。
これらの費用は、初年度に全額損金処理することもできるが、仮に初年度が赤字である場合には次年度以降に処理することも可能であり、損金計上時期を選択できるという点において大変利便性が高いと言える。 ちなみに、事業開始前に支出した費用であっても、事務所賃借料・水道光熱費・給与など経常的に生じる費用については上記のような処理を行うことはできず、初年度に損金として計上することになる。
いずれにしても、節税の観点からこれらに係る請求書・領収書等はしっかりと保存し、その支出内容を明確にしておく必要があろう。