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職場における熱中症対策の強化

 今年も全国各地で例年以上の猛暑が続き、9月に入ってからも老若男女を問わず熱中症で救急搬送された旨のニュースや記事が頻繁に報道されている。私も外出する際にはできる限り日陰を歩いたり、こまめに水分を補給するなどの対策を取っているが、その移動中に酷暑下で屋外作業をしている建設作業員や宅配ドライバーの方を見掛けることが頻繁にある。来年以降も各所で40度越えの猛暑が続発することは不可避であると考えられ、特に屋外作業従事者にとってはさらに過酷な労働となってしまうが、この点については今年6月に職場における熱中症対策が義務化されたことでその対策強化が図られているので、今回はその概要について紹介したい。

 まず、熱中症が死亡災害に至る割合は他の災害の約5~6倍であり、ほとんどが初期症状の放置・対応の遅れが原因であるとした上で、現場において死亡に至らせない(重篤化させない)ための適切な対策の実施が必要であるとしている。次に対象となる作業としては、WBGT28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるものとされている。なお、WBGT(暑さ指数)とは熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標のことであり、人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標であり、私もこのニュースを見るまで知らなかった。

 続いて、事業者に義務づけられる内容としては、(1)熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、①熱中症の自覚症状がある作業者、②熱中症のおそれがある作業者を見つけた者、がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること、(2)熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、①作業からの離脱、②身体の冷却、③必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること、④事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等など、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること、が定められている。

 さらに具体的な処置の例として、熱中症の自覚症状(ふらつき、失神、大量の発汗など)のある者を発見した場合には、作業から離脱させるとともに身体を冷却し、意識の異常等を確認した上で異常等が見られた場合には、救急隊を要請し医療機関への搬送を行うものとしている。一方意識の異常等がなく、かつ自力で水分補給を行える場合には経過を観察し、その後症状悪化等が認められる場合には医療機関へ搬送すべきであるとしている。

 なお、詳細は厚生労働省のホームページ参照。

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