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税理士など文系国家試験の実施要領等の比較②

 続いて令和7年の受験料に関しては、税理士試験が1科目4,000円、2科目5,500円、社会保険労務士試験が15,000円、中小企業診断士試験(1次試験)が14,500円であり、税理士試験が格段にリーズナブルである点が特徴である。特に、社会保険労務士試験は全てマークシート方式であることを考えるとかなり強気の設定であることを思わざるをえない。また、中小企業診断士試験については2次試験(17,800円)や15日間の実務補習もあり、これらの受験料等を合計すると他の2試験とは比較にならないほど高額となる点には注意を要する。

 さらに試験の特色として、税理士試験と中小企業診断士試験は科目合格制度がある一方、社会保険労務士試験は合格or不合格のまさに一発勝負の試験である。おそらく国家試験の中で科目合格制度を導入している方が圧倒的に少数であることに加えて、一発勝負と科目合格それぞれにメリット・デメリットがあるので、本件について特に思うところはない。

 ちなみに、税理士試験の科目合格は生涯有効であるのに対して、中小企業診断士試験では有効年数の制限がある点が特徴的である。私見では、特に社会人受験生の場合には学習時間に限りがあることから科目合格制度の方が好ましいと考えられ、私自身も仮に税理士試験が科目合格制度でなかったら途中でドロップアウトしていたか、或いは更に長期間の受験生活を余儀なくされていたことだろう。この点を考慮した場合、社会人受験生が多い社会保険労務士試験に科目合格制度を導入するという考え方は理に適っており、実際中小企業診断士1次試験に関しても、私が受験した約25年前は一発勝負型であったが、その後科目合格制度に変更された経緯がある。

 最後に合格率について、各試験の公式ホームページに掲載されている割合は、税理士試験(5科目到達者数と一部科目合格者数の合計÷受験者数)が16.6%、社会保険労務士試験が6.9%、中小企業診断士1次試験(試験合格者数÷受験者数)が27.5%、であるが、無論この割合を単純比較することはできない。その理由は試験の特色でも紹介したとおり、税理士試験の場合には科目合格者数も含めた合格率であり、仮に5科目到達者数のみを合格者とみなして計算した場合、その割合は1%台となる。また、中小企業診断士2次試験の合格率は例年1次試験よりも低いため、最終合格率(1次試験の合格率×2次試験の合格率)は数パーセントまで下落する。さらに、例えば合格レベルには程遠い受験者が多い試験(科目)については、合格率が低いことのみをもって難関試験と判断することはできない。

 なお、詳細は各試験実施機関のホームページを参照。

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