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税理士業務

国民健康保険料等の控除漏れ

 前年分以前の源泉徴収簿など年末調整関連書類をチェックしていると、役員・従業員の所得控除漏れを発見するケースが少なくない。実は数日前も、今年から関与した顧問先について同じケースに遭遇した。

 この中には扶養親族など人的控除に関する誤りもあるが、私の経験上最も多い具体的なケースは国民健康保険料(保険税)の控除漏れであり、今回も同様であった。おそらく、年末調整の際に国民健康保険料等の控除証明書又は納付が確認できる書類を事業所に提出していないため、そのまま反映されずに年末調整されてしまったのであろう。事務担当者側においてこの点を不自然に感じて照会すれば、その時点で漏れを回避することも可能であるが、短期間で数多くの事務処理を行う中にあってはスルーされてしまう事態も十分起こり得る。

 社会保険に加入していれば、原則として毎月の給与から適正に天引きされるため、一般的にこうした問題は起きないのであるが、例えば社会保険の強制加入対象ではない個人事業所や短時間勤務の従業員、或いは市区町村国保以外の国保に加入している場合には、納税者個人(従業員側)において十分な確認が必要であるとともに、事業所が必要書類を漏れなく提出するよう周知を図っていく必要があるだろう。さらに、控除対象となるのはその年の1~12月に実際に納付した保険料である。よって、年末時点で未納となっている保険料はその年の控除対象ではなく、実際に納付した年の控除となる点はしっかり確認しておきたいところである。

 仮にこうした控除漏れの事実が確認された場合には、以前本ブログでも取り挙げたとおり、原則としてその年の翌年1月1日から5年以内であれば還付申告書を提出することができる。その際に必要な書類としては、基本的には源泉徴収票と控除証明書類(国民健康保険料の控除漏れであれば、市区町村が交付する年間の納付済額証明書など)であり、申告内容も決して難解なものでないため、速やかに還付申告を行うことが好ましい。

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