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税理士業務

確定申告を行わない場合のリスクとデメリット

※本記事は令和8年7月15日時点の内容です(令和3年6月23日作成、令和8年7月15日変更)。

 事業所は原則として毎年1回確定申告を行う義務があるが、残念ながら何らかの事情により期限内に確定申告を行っていない事業所も存在し、中には複数年に亘って無申告というケースもある。特に開業直後は、こうした複数年度又は年(以下「年度等」と呼ぶ)の無申告案件に関与したケースが多かったが、私自身の経験に基づくと、①確定申告書作成のために必要な書類が残っておらず、正確な確定申告書の作成に当たって支障が生じる、②税務署との各種連絡・調整に際して時間と労力を費やす、③業務中又は業務完了後に依頼者と連絡が取れなくなる、などのリスクがある。従って、その受任に際しては慎重にならざるをえないが、一方で無申告年度等の確定申告を全て済ませた後は依頼者から大変感謝され、その後は顧問先として長期間に亘って関与させていただくケースもあり、これが開業当初の自身にとっては大きなモチベーションになっていた。

 ここで改めて無申告状態が続くことのリスク・デメリットについて考えてみると、まず本来納付すべき税金に加えて、無申告加算税や延滞税といったいわゆる罰則金を納付しなければならないという、金銭面におけるデメリットがある。ちなみに各年度等の無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して一定割合を乗じて計算した金額となり、この一定割合については、端的に言えば納付すべき税額が多いほど高い税率が適用される。一方延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される利息に相当する税金であり、例えば令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間の場合、納期限の翌日から2月を経過する日までは原則として2.8%、納期限の翌日から2月を経過した日以後は年9.1%の割合により課される。しっかりと期限内に確定申告を行っていれば納付を避けられたという意味においては、まさに無駄な納税である。

 次に、例えば無申告の事業所が建設業を営んでいる場合(実際、私がこれまで経験した無申告案件は建設設備業を営む事業所が多かった)、建設業許可の取得に大きな支障が生じるといった事業経営上のデメリットがある。仮に許可が取れなければ対応業務が限定されることになり、取引先との信頼関係を損なってしまう恐れもある。さらに、こうした事態を回避すべく複数年度分をまとめて申告しようと思い立っても、取引記録の整理や必要書類の入手、さらに税務署からの督促や各種連絡・調整のために相当な労力を費やすことになり、結果として途中で挫折してしまうという負のスパイラルに陥るリスクも十分考えられる。さらに、金融機関から融資を受けることが困難となる点も大きな問題であり、それでも借入れが必要な場合、現実的な選択肢としては高利のローンを利用せざるを得ず、これは必然的に事業所の資金繰りをひっ迫させることになる。

 なお、確定申告を忘れた時に発生するペナルティの詳細は国税庁のホームページを参照。

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