プレプリント申告書の送付対象者の見直し
先週、東京税理士会足立支部が実施する確定申告無料相談に従事した際、最も多かった質問は「昨年まで税務署から送付されていた申告書類(プレプリント申告書)について、今年はいつまで経っても届かないのはなぜなのか?」というものであった。私が対応した納税者に関して言えば、概ね2人に1人の割合で尋ねられた。
本件については、①申告書作成ソフトの普及等に伴い、プレプリント申告書を使用していないケースが多い、②プレプリント申告書の事前送付がICT利用率の向上を阻害している、などの理由により、東京国税局が平成29年分確定申告から一定の納税者に対してプレプリント申告書を送付しないこととしたためである。
そしてこの「一定の納税者」には、前年税理士会が主催する無料相談を通じて申告書を作成・提出した者が含まれている。お知らせハガキなどの送付により確定申告に関する周知は行われているものの、困惑した納税者は少なくなかったようである。
E-TAXとこれに伴うペーパーレス化は時代の流れであろうが、これは納税者に対して無用の困惑や不安を与えないことが前提である。更なるICT利用率の向上に向けた取り組みを推進していく中にあって、今後十分な配慮が求められよう。