家賃支援給付金の申請受付を開始
経済産業省はこのほど、売上の減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃の負担を軽減する「家賃支援給付金」の申請受付を開始した。本制度の概要については前回既に触れているため、今回は申請フォームを眺めていて個人的に気づいた点を述べていきたい。
まず、本WEBサイトではGoogle ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザでの利用を推奨しており、Internet Explorerはいずれのバージョンも利用できない旨が掲載されている。この注意書きの見落としにより、「申請する」のバナーをクリックしても申請画面が開かないという問合せは、意外と多く寄せられるかもしれない。
次に、持続化給付金と比べると宣誓項目が非常に多いと感じた。その多くは形式的な内容であるが、例えば自己取引や親族間取引を適用除外とする旨の項目はかなり実用的な内容と言える。本件については申請要領にも明記されているが、これを知らずに類似の質問をコールセンターに問合せたり、或いは誤って申請してしまうことは十分起こり得るだろう。
続いて、やはり持続化給付金に比べると入力項目が多岐に亘っており、かつ添付書類も多くなっているので、こうした事務や操作手続きに不慣れであると相当な苦労を強いられる可能性が高いであろうと感じた。その中でも、やはり賃貸借契約書に関する入力項目はボリュームがあり、特に複数の物件を賃借している場合には、それぞれの契約内容を正しく入力し、かつ添付書類を個別にスキャンすることになるため相当煩瑣であろう。加えて、賃貸借人の氏名・名称や月額賃料など要所にはマークを付すよう定められていることや、賃料の支払証明についても所定のルールに基づく添付書類が必要であることが煩雑さに拍車をかけている。従って、例えば月額1~2万円の事業用駐車場のみを賃借しているような場合、申請を諦めてしまうというケースが相次ぐかもしれない。
最後に賃貸借契約書に関連する例外の取扱いについては、様々なパターンが紹介されているが、そのパターン毎に必要書類が異なるので、仮に申請に必要な契約書が手元にない場合には、まず自身の契約がどの例外パターンに当てはまるのかについてしっかり確認し、その上で適切に対応することが求められる。