令和8年度補正予算が成立
中東情勢が不透明である中、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、経済活動や国民の暮らしに支障が生じないよう適切に判断し、必要に応じてタイムリーに対応するため、リスクの最小化の観点から、万全の備えを取ることを目的として編成された「令和8年度補正予算案」が6月5日に成立した。
まず、国から地方自治体に予算を配分するもので、その使い道は地方自治体が地域の実情に応じて決めることができる「重点支援地方交付金」については、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地方自治体が地域の実情に応じて支援できるよう0.1兆円の財源措置が講じられている。次に、使用量が増加する7~9月分の電気・ガス料金の支援のために、1兆円あった予備費のうち0.5兆円を使用する閣議決定を5月26日に行ったため(支援額は、家庭用の電気料金について1kwhあたり、7月は3.5円、8月は4.5円、9月は3.5円であり、標準的な家庭では3か月で5千円程度の負担引下げ効果が見込まれる)、予備費の残高は0.5兆円になり、今回の補正予算においては、その予備費を1兆円に復元する観点から0.5兆円を予備費に措置している。さらに、中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰など我が国経済への影響への対応に要する経費等として、新たに2.5兆円の中東情勢等対応予備費を創設している。
今回の予算は6月3日に閣議決定され、同4日に衆議院で可決、同5日に参議院で可決・成立という短期間での審議となり、審議日数が不十分であるとの指摘があった一方、中東情勢の不安定化の影響を受ける国民に対する支援を早く行うべきであるとの声も多く挙がっていたため、その是非を一概に論ずることは難しい。実際4~5月に私が関与先の代表者と面談した際にも、原材料の納入遅延や高騰が経営に大きく影響しているとの声が多く聞かれ、迅速な施策展開が極めて重要であるとの認識を改めて強くしたところである。
ちなみに本件は、現在検討されている食料品の消費税率引下げ問題にも通ずる部分がある。自民党は2年間限定で0%に引き下げるとの公約を掲げていたが、仮に1%にすればシステム改修に要する期間が大幅に短縮され、早期の引下げ実現が可能になるとのことであり、各メディアの世論調査でも1%案を支持する意見が多い。公約違反や事前のリサーチ不足を指摘する声はあるだろうが、物価高により厳しい生活を強いられている国民を1日も早く支援するという観点で考えた場合、上記の世論調査の結果は至って順当なものと言えるだろう。
なお、詳細は財務省のホームページを参照。






