社会保険労務士資格の効果的な活用方法①
無事新入会員研修会を終えた後は、既に提出した申請書類に関する不備の連絡がなかったため、予定通り令和6年9月1日付けで社労士登録が完了した。さらに、9月下旬には社労士証票が簡易書留で送付され、10月中旬には東京都社労士会の会員専用サイトへのログインが可能となり、同サイトを通じて様々な情報を入手することが可能となった。
さて、本題である社労士資格の活用方法であるが、その前に社労士の登録区分について再度簡単に説明したい。登録区分には開業・勤務・その他の3種類があり、「開業」は文字通り独立開業している社労士である。一方、「勤務」は勤務先に勤めている会員、「その他」は「開業」「勤務」のいずれにも該当しない会員であり、私は社労士業務を行う予定はなく、かつ税理士事務所を開業しており他社に勤務しているわけでもないので、「その他」で登録を行っている。
まず私自身の活用方法としては、現在の本業である税理士業務とのシナジー効果が発揮できることが最大のメリットである。例えば法人役員の月額報酬を改定する場合、法人税や個人の源泉所得税といった税務に加えて、社会保険料の増加も考慮しなければ顧客に対して最適な報酬額を提案することはできない。無論これまでも一般的な知識の範囲でアドバイスを行うことは可能であったが、社労士試験合格及び登録を通じて一層の自信をもって提案できるようになった点が大きい。また役員が高齢者である場合には、役員報酬と年金受給額とのバランスを考慮することが不可欠であるが、この点についても基本的な知識が体系化されたことで、より説得力のある提案が可能となった。
このように税金と社会保険が密接に関連するテーマは多いため、双方の観点から最適なアドバイスを行うことにより顧客満足度を更に高めていくことが期待でき、実際私が社労士試験の受験を決断した大きな理由の一つがこの点であった。そして現時点においてこの決断は正しかったと確信している。