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総合経済対策で示されたリスキリング

 去る10月28日、政府が物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を閣議決定した。主要項目としては、①家庭の電気代や都市ガス代の軽減、②新生児1人当たり10万円相当の給付、③賃上げ促進策の拡充、④リスキリングの強化、などであり、財政投融資などを含めた財政支出が約39兆円、民間投資などを加えた事業規模は約71兆円という大規模な内容になっている。このうち①や②については、生活者に直結する内容であることから最近メディア等でも頻繁に取り挙げられており、特に説明の必要はないだろう。次に③については、これまでも税制面や補助金の優遇やそれらの手続き簡素化など様々な施策が講じられてきており、これらをさらに加速させる取り組みは不可欠と言える。一方④については、「リスキリング」が多くの方にとって馴染みが薄いワードであると考えられ、かつ私自身も興味を持ったので少し調べてみた。

 まず、リスキリングを日本語に訳すと「学び直し」であり、新しい職業や成長が見込まれる業務に従事するため、必要なスキルを身につけることを意味する。今回の経済対策では、新しい資本主義の加速に向けて、人への投資の抜本的強化と成長分野への労働移動を同時に強力に推進するため、賃上げ促進やリスキリングへの公的支援といった人への投資に5年間で1兆円を投じることとしている。

 具体的には、企業間・産業間の労働移動の円滑化に重点を置いて、訓練後に非正規雇用を正規雇用に転換する企業や賃上げを伴う転職・労働移動の実現に向け、より高い賃金で新たに人を雇い入れる企業への支援の拡充を行う。また、在職者のキャリアアップのための転職支援として、民間専門家に相談してリスキリング・転職までを一気通貫で支援する制度を新設する。さらに、デジタル推進人材育成については、2026年度末までに230万人育成することを目指して強化するほか、若手研究者・留学生等への支援を拡充することなどが盛り込まれている。

 これらの諸施策を通じて、賃上げと労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進め、将来的に「構造的な賃上げ」の実現が図られることを期待したい。なお、詳細は内閣府のホームページ参照。

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