1. HOME
  2. ニュース
  3. 所得税の医療費控除の適否

NEWS

お知らせ

税理士業務

所得税の医療費控除の適否

 医療費控除は、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合に、一定金額の所得控除を受けることができる制度であり、確定申告を行う多くの納税者にとって関係があると思われる。今回は、その対象範囲に関して実務上頻繁に見かけるケースを中心として幾つか紹介したい。

 まず、結構な割合で質問を受ける人間ドックや健康診断費用についてである。最近はPET検査も徐々に普及し始め、1回当たりで10万円超を支払うケースも決して珍しくないが、これらは一定の場合を除き控除対象とはならない。次に、眼鏡の購入費用については、医師等の治療等を受けるため直接必要なものに限って医療費控除の対象となるため、近視や遠視の矯正のためであれば対象外である。歯科についても、容貌を美化するための歯列矯正は対象とはならないが、インプラントや金・ポーセレンを使用した治療は、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものを除いて対象になる。ちなみに、例年に比べて急に医療費控除額が増加している場合には、この歯科治療代が絡んでいるケースが多い。

 さらに、通院に係る交通費の取扱いについて、電車・バス等を利用した場合における交通費は基本的に対象となる。私の経験上、この交通費を医療費として計上していないケースが多く見受けられるので、(金額的には僅少ではあるが)節税のためにはしっかり計上していく必要がある。一方、自家用車を利用した場合におけるガソリン代や駐車代は現行では対象外であり、タクシー代は病状からみて急を要する場合や電車・バス等の利用ができない場合に限って対象となる。この点は国税庁が作成している確定申告の手引きなどにも明確に記載されているが、誤解している納税者が少なくないと思われるので正確な理解が必要である。

 続いて、頻出事項ではないが過去実際に受けた2つの質問について見ていきたい。まずは、「12月下旬に医療費をクレジットカードで支払った場合、その金額は12月分の医療費として翌年の確定申告において医療費控除の適用を受けられるのか?」である。最近はクレジットカード払いが可能な医療機関も増えてきており、こうした疑問が沸いてくるのは至極当然と言えよう。そして、実際に現金で支払った日=支払金額が銀行口座から引き落とされる日ではないか、と考えてしまうのも無理はない。詳しい考え方についての記述は割愛するが、結論としては医療機関の窓口でクレジットカードを利用して医療費を支払った日が「医療費を支払った日」として認識される。但し、上記はあくまでクレジットカード払いのケースであり、何らかの理由により単に未払となっている場合には適用されない。例えば、支払合計金額5万円のうち12月28日に3万円、翌年1月5日に2万円をそれぞれ現金で支払った場合、今年の医療費控除の計算に含めることができるのは3万円である。念のためしっかり確認しておきたいところである。

 次に、「小学生の子供が歯科矯正を受けたことにより多額の医療費を支払ったのだが、この費用は医療費控除の対象になるのか」という内容である。医療機関に対して支払っている費用とは言え、これを行わなくても直接的に健康に影響するものではないとの考え方に基づけば、医療費控除の対象にはならないと思えるかもしれない。本件については、国税庁のホームページに判断基準が示されている。関連部分を要約すると、発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は医療費控除の対象になるが、同じ歯列矯正でも容貌を美化するための費用は医療費控除の対象にならない、とある。従って、上記判断基準に適合する小学生の歯科矯正の場合には、医療費控除の対象になる。

 なお、医療費控除の該当可否については、国税庁のHP参照。

最新記事

料金プラン(法人)

料金プラン(個人)

料金プラン(法人・個人)