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青色申告特別控除と確定申告の要否

 昨年末に決定された「令和8年度税制改正大綱」では、給与所得控除・基礎控除の改正やNISAの拡充など様々な改正内容が盛り込まれているが、個人的に気になった事項は令和9年分から適用される青色申告特別控除の見直しである。簡潔に言えば、優良な電子帳簿の保存・備え付けなどを要件として新たに75万円控除が創設される一方、E-TAXを利用しない場合の55万円控除が廃止され、かつ10万円控除の適用対象者が限定されるという内容である。青色申告特別控除に関してはこれまでの記事でも何度か紹介しているが(令和3年12月24日付け記事「不動産所得の青色申告特別控除」、令和3年12月11日付け記事「所得税の青色申告制度の概要と税務上のメリット」、令和3年1月8日付け記事「所得税の青色申告特別控除額の変更」などを参照)、今回はかなりマニアックなテーマではあるが、青色申告特別控除と確定申告の要否について触れていきたい。

 具体的には、年末調整済の給与所得、及び不動産所得(青色申告の承認を受けて10万円控除を適用)がある納税者について、本年分における青色申告特別控除前の不動産所得の金額が29万円である場合、所得税の確定申告は必要であるのかである。例えば、ごく小規模な賃貸マンションを所有している納税者や、11~12月に事業的規模に満たない賃貸不動産を有する納税者が亡くなり、これまで給与所得以外の所得がなかった相続人が当該不動産を相続し、その年中に青色申告承認申請書を提出した場合におけるその年の相続人など、実務上稀に目にするケースである。

 本件については、確定申告の手引きにも記載されている通り、年末調整が行われた給与等以外の所得金額が20万円以下の場合には確定申告書の提出を要しない。そしてこの20万円の判定は、青色申告特別控除後の金額(29万円-10万円=19万円)で行うため、所得税の確定申告書を提出する必要はないとの結論になる。特に不動産所得が少額である場合には、青色申告特別控除の適用によって申告不要となる可能性も十分考えられるため、こうした観点からも現在白色申告の納税者におかれては、是非青色申告に変更することを強くお勧めしたい。

 ちなみに、本件は国税庁のQ&Aでも詳しく紹介されている論点であるが、一方で65万円又は55万円の青色申告特別控除を受けている場合の取扱いは異なる。詳しい根拠法令は割愛するが、65万円控除の場合には所定の確定申告書を申告期限までに提出した場合に限って適用されるため、確定申告が必要となってくる。なお、なお、10万円控除の場合における確定申告の要否に関する詳細は、国税庁のホームページを参照。

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