試験合格から資格登録までの手順
過去の記事では、これまで私が合格した3つの国家試験(税理士、社会保険労務士、中小企業診断士の1次試験)の試験制度の相違点について紹介したが、今回は試験合格してから資格登録するまでの手順や要件の相違点などについて紹介したい。
まず税理士試験については、これまでも度々紹介しているとおり科目合格制度を採用しており、所定の5科目を合格すると税理士となる資格を有することになる。ちなみにこの点では税理士試験合格者という位置付けであるため税理士を名乗ることができず、税理士として業務を行うためには税理士会に対して登録申請を行う必要がある。その際の必要書類は多岐に亘るが、最も重要な書類は「税理士試験合格証書」と2年間の実務経験があることを証明する「在職証明書」の2点である。在職証明書については、会計事務所に勤務していれば通常はその事務所の所長が証明してくれるため、余程のことがなければ問題はないだろうが、問題は一般事業所に勤務する会社員が登録申請する場合である。財務部や経理課に所属している(又はしていた)場合には、その勤務年数が実務要件としてカウントされる可能性はあるが、例えば前職を円満に退社していない場合には、前職の事業所に対して証明書の発行を頼みづらい又は断られたといった理由で証明書が入手できないこともあり得る。また、そもそもそうした職務経験がない場合には、実務要件を満たすことができないという事態になり、試験合格後に何らかの形で実務に従事する必要がある。この点については、後述する社会保険労務士登録時に必要となる実務要件よりも遥かに厳しい点が特徴と言えよう。
次に社会保険労務士については、基本的に税理士と大きな違いはない。試験合格だけでは社会保険労務士業務を行うことができない点も同様であり、社会保険労務士会に登録をして初めて社会保険労務士を名乗ることができる。一方、前述のとおり2年間の実務従事要件に関して、事務指定講習という所定の講習受講をもってこれに代えることが認められている点が異なる。私自身も社会保険関連事務に関する実務経験は全くなかったため、仮にこの制度がなければ社会保険労務士を名乗ることはできなかったし、他の多くの合格者も同様であろう。本講習の有益性については評価の分かれるところかもしれないが、個人的にはこの講習制度は一定の意義があると考えている。
最後に中小企業診断士については、その登録申請に当たって2次試験の合格証書や実務補習修了証書などが必要であるが、上記2資格と比べると公的な提出書類が少ないので収集は比較的容易かもしれない。また、上記2資格の場合には資格登録と士業団体加入がセットであるが、中小企業診断士の場合には士業団体(日本中小企業診断士協会連合会)への加入は任意であり、仮に加入しなくても同業務を行うことができる点が上記2資格とは大きく異なる。よって、中小企業診断士を名乗って業務を行っているが、士業団体には登録していないという有資格者が多数存在し、かく言う私もその一人である。






