行政から発行される税務関連の証明書は、様々な場面において入手・提出が必要となるが、特にフルタイムで勤務している会社員にとっては、平日の日中に役所に出向くことは決して容易ではない。また、有給休暇の取得などにより何とか時間を確保して出向いたとしても、受付窓口で長時間待たされたり、或いは発行に必要な情報や書類不足などによりその場で交付を受けられないケースも有り得ると思われ、これらは精神的にも大きなストレスになる。

　さらに、例えば申請者が自身で役所に出向くことが難しい場合には、親族等の代理人が対応することになるが、その際には委任状の作成・提出や代理人に関する証明書類の提示など更にそのハードルが上がることになり、特に最近では行政や金融機関などあらゆる窓口においてこの手の対応は厳格化されている。

　こうした中で足立区は現在、特別区民税・都民税の証明書の交付申請をＷｅｂから行うことができるサービスを提供している。具体的には、マイナンバーカードによる本人確認とクレジットカードによる手数料・郵送料の支払いを行い、申請が完了すると住民登録されている住所に証明書類が郵送される。

　電子申請に当たって必要なものは、①マイナンバーカード、②署名用電子証明書暗証番号（マイナンバーカード発行時に自治体の窓口で登録した、６文字から１６文字の英数字）、③クレジットカード（手数料の支払いはクレジットカード決済のみ利用でき、電子マネーやＱＲコード決済は利用不可）、④スマートフォン（パソコンのみで申請することは不可）の４点。また、発行できる証明書は申請者本人（マイナンバーカードの所有者）分に係る課税証明書及び納税証明書であり、足立区で課税（非課税）決定されている過去５年度の証明書の申請が可能である。さらに、手数料は１通当たり３００円（別途郵便料金が発生）であり、申請後１週間から１０日程度で申請者の現住所宛に普通郵便で送付される。

　わざわざ役所に出向くことなく証明書を入手できるメリットは大きいと考えられるので、例えば明日中に必要であるといった緊急性を要するケース以外において是非利用することをお勧めしたい。なお、詳細は足立区のホームページ参照。