経済産業省はこのほど、２０２２年版中小企業白書・小規模企業白書を公表した。今年の白書では、新型コロナウィルス感染症（以下「感染症」という）の流行や原油・原材料価格の高騰等の外部環境に直面する中小企業・小規模事業者の動向、中小企業・小規模事業者のそれぞれが自己変革に向けて新たな挑戦を行うために必要な取り組みについて、様々な企業事例を交えながら分析が行われている。

　まず、中小企業・小規模事業者を取り巻く経営環境は、引き続き厳しい状況にあるとした上で、感染症下において「事業再構築」を早期に行った企業については、売上面の効果のみならず、既存事業とのシナジー効果（新規開拓した販路の既存事業への活用等）を実感するケースも存在するなど、その重要性を指摘している。

　次に、中小企業の成長を促すための取り組みとして、ブランド構築や人的資本への投資を始めとする無形資産投資に着目。無形資産投資の一つであるブランドの構築・維持を図る取り組みを行っている企業は、自社ブランドが取引価格へ寄与している割合が高いとした上で、その構築に当たってブランドコンセプトの明確化や従業員への浸透などを行うことの必要性や、人的資本への投資について経営者が計画的なＯＪＴやＯＦＦ－ＪＴを実施することで、従業員の能力開発を進めることが重要であると述べている。

　さらに、小規模事業者における事業見直し・地域課題の解決に向けて、様々な分野において適切なアドバイスを行うことができる支援機関のネットワーク・ノウハウを活用することの重要性や、デジタル化の進展に積極的に取り組むことにより、新たなビジネスモデルの確立につながる段階への到達を目指すことが重要であるとしている。

　なお、詳細は経済産業省のホームページ参照。