足立区がハクビシン・アライグマ対策事業を実施中
今年は熊による生活環境被害が全国各地で多数発生しており、メディアでも連日のように被害状況を報じている。環境省によると、令和7年度における熊類による人身被害人数は9月末日時点で108件発生し、死者数は10月29日時点で12名に達している。加えて被害地域についても、東京都内や札幌市・仙台市などの政令指定都市などをはじめ多岐に及んでおり、熊被害に対する住民の不安は非常に高まっている。一方、近年は熊以外の動物による被害も多発しており、足立区でも数年前に荒川周辺にイノシシやシカが出没したと記憶している。
こうした中足立区では、捕獲器(幅30cm×高さ30cm×奥行き80cmの箱わな)を用いてハクビシン・アライグマを捕獲する「ハクビシン・アライグマ対策事業」を実施している。まず、捕獲器の設置に当たっては、①ハクビシン・アライグマによる建物侵入や生活環境被害を受けている、又は敷地内での徘徊を複数回目撃している場所であること、②同区内の建物・敷地の所有者、及び所有者の許可を受けた者であること、③同区が定める「利用者の行うこと」(例:捕獲器の餌を用意する、毎日捕獲器を見回って餌の状況確認等を適切に管理するなど)を責任持って遂行できること、を満たす必要がある。
次に、捕獲器の利用に際しては所定の申請書・同意書を同区宛に提出する必要があり、窓口・郵送・FAXのいずれかの方法で行うことができる。また、利用承認後の捕獲器の設置期間は原則2週間とされており(状況により1週間の延長が可能であり、その都度申請すれば利用回数の制限はなし)、費用は無料(但し、餌の用意に係る費用は自己負担)である。
さらに、侵入口を塞ぐ等の作業を別途業者に依頼する場合、その費用は自己負担となるが、同区が実施する「屋内侵入口閉塞工事費用助成金」の活用により最大10万円の助成を受けることができる。利用に当たっては一定の要件を満たす必要があるとともに、利用可能回数は年度内1回限りであるが、補助率が10分の10(消費税相当額を除く)であることから、ハクビシン・アライグマによる深刻な被害を受けている住民にとっては有り難い制度であると言えよう。
なお、詳細は足立区のホームページを参照。






