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インボイスに関する経過措置の変更等

※本記事は令和8年10月5日時点の内容です。

 既にご紹介している通り、社会保険に関しては令和8年10月1日以降開始又は変更となった制度が幾つかあるが、税制についても標題の制度に関して大きな変更が行われている。

 まずは2割特例の廃止である。「2割特例」とはインボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった方について、仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができる制度である。しかし現行の2割特例は、令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了し、これに代えて一定の要件を満たす個人事業者の令和9~10年分の消費税申告については、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、その課税標準額に対する消費税額に7割を乗じた額とすることにより、納付税額をその課税標準額に対する消費税額3割とすることができる措置に改められた。極めて端的に言えば、個人事業者については2割特例が3割特例に変更され、法人は特例措置の適用対象外となった。従って、これまで2割特例と利用していた個人事業者や、令和8年10月1日以降に設立された法人の消費税負担は、2割特例適用時に比べて増加する可能性が高くなる。

 次に、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置(80%控除)の改正である。これまでは免税事業者等からの課税仕入れであっても、一定の要件を満たすことで仕入税額相当額の80%を仕入税額とみなして控除することができたが、令和8年10月1日以降はこの控除可能割合が70%に変更されている。本割合については、今後段階的に減少し、令和13年10月以降は0%になる予定である。免税事業者との取引割合が高い事業所にとっては消費税負担が増加する可能性が高いことから、取引条件の変更等の対応が必要になるかもしれない。併せて、実務上重要な点としては令和8年10月1日をまたぐ取引の処理である。例えば、請求書発行日や支払日基準で経理処理を行っている場合、誤った控除割合を使用してしまう可能性が考えられるため、仕入・経費の発生時期を正確に把握した上で適正に処理していく必要がある。

 さらに、一の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの額の合計額がその年又はその事業年度で1億円(改正前:10億円)を超える場合には、その超えた部分の課税仕入れについて、令和8年10月1日以後に開始する課税期間からは本経過措置の適用は認められない。当所の関与先で該当するケースは皆無であり、前述の改正に比べると影響を受ける事業所は非常に少ないと考えられるが、該当事業所の税負担は相当増加することだろう。

 なお、詳細は国税庁のホームページを参照。

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