事業再構築補助金の申請を受付中
中小企業庁では現在、新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取り組み、事業再編又はこれらの取り組みを通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援する「事業再構築補助金」の申請受付を行っている。
まず主な申請要件は、(1)申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の売上高と比較して10%以上減少していること、(2)事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと、などを満たす中小企業等であり、中小企業の場合には通常枠として100万円~6,000万円(補助率は3分の2)が支給される。また、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少している場合には、緊急事態宣言特別枠として申請が可能であり、この場合における中小企業の補助率は3/4と優遇されている。
次に、本補助金の活用イメージとして、同庁のホームページには①飲食業が店舗の一部を改修して行うテイクアウト販売、②小売業によるネット販売やサブスクリプション形式のサービス事業への業態転換、③製造業が本業で培った技術を応用して行う新たな部品・商品製造等、などが例示として挙げられている。さらに補助対象経費としては、建物改修費、設備費、広告宣伝費などハード・ソフト問わず幅広く認められているが、従業員の人件費や不動産の購入費などは補助対象外である。
続いて、申請上の留意点として、まず本申請に当たってはjGrants(電子申請システム)による申請に限られるため、GビズIDプライムの取得が必要となる。そして、このID申請には印鑑証明書の取得が必要であることに加え、申請から発効までには2~3週間程度の日数を要するため、未取得の事業所については早急に対応する必要がある。また、上記で述べた通り、事業計画の策定に際しては認定経営革新等支援機関と相談の上で行う必要があるため、同機関として認定されている顧問税理士や中小企業診断士などに早めに相談しておくことが好ましい。ちなみに、同庁で実施する「一時支援金」とは異なり、仮に税理士や中小企業診断士資格を有している者であっても、同機関として認定されていなければ要件を満たさないので、この点は注意が必要である。
第1回目の応募締め切りは4月30日(金)18時まで。個人的には利便性の高い補助金であると思うので、これまで補助金申請とは無縁であった事業所もチャレンジしてみる価値は十分あると考えられる。なお、詳細は経済産業省のホームページを参照。