1. HOME
  2. ニュース
  3. 飲食料品に係る消費税率の引下げに伴う飲食店への影響

NEWS

お知らせ

税理士業務

飲食料品に係る消費税率の引下げに伴う飲食店への影響

 令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品に係る消費税率が1%に引き下げられることなどを柱とする、いわゆる消費税の減税法案が現在国会で審議されており(令和8年9月24日付け記事「国税庁が消費税引下げ特設サイトを開設」を参照)、最近では大きな影響を受けることが予想される飲食店に対する具体的な支援措置についての議論も行われている。本件については連日メディアでも取り上げられており、おそらく大部分の消費者にとっても大きな関心事であろう。

 現在、店内飲食と中食(宅配やテイクアウトなど)の税率差は2%であるが、来年4月以降はその差が9%に拡大すると見られることから、物価高による家計へのインパクトを考えた場合、外食から中食又は内食(家庭内で素材から調理した料理を家で食べる)にシフトしていく傾向が強まり、もって飲食店の経営を圧迫する可能性が十分考えられる。とは言うものの、飲食店が中食市場への新規参入を図ることは決して容易ではなく、このご時世にあって飲食店が値上げに踏み切ることにもかなり勇気がいるものと考えられる。

 なお、飲食店が仕入れる飲食料品についても消費税率が1%になるため、仮に飲食店側の売上高が減少しても、仕入価格の減少分を上回らなければ、従前どおりの利益を確保できるのではとの思考も浮かぶが、仮に本則課税により消費税申告を行っている場合、端的に言えば仕入に係る消費税率の引下げ分は消費税の納税という形で流出してしまうことになる。これに対して簡易課税を選択している場合には売上高に応じて税額が確定するため、小規模な飲食店であれば上記のような納税額の増加を回避することが可能である。しかし、飲食売上・仕入以外にも様々な取引が発生するため、本則or簡易課税のどちらが有利であるかについては、しっかり試算を行った上で検討・判断していく必要がある。

 さらに、上記では飲食料品の仕入れ価格が減少することを前提としていたが、仕入業者側が消費減税を機に本体価格の値上げに踏み切る可能性は十分に考えられる。このいわゆる便乗値上げが行われた場合、飲食店側では仕入れ価格は下がらず、かつ消費税の納税は増加するという二重苦の状況に陥り、これまで以上に廃業や倒産が増加することが予想される。

 最後に、飲食店に対する支援方法について、現在検討されているプレミアム商品券やGoToイートも一案ではあるが、個人的には継続的な経営努力を行っている店舗に対する重点的な補助・助成措置が好ましいと考えている。いずれにしても、これを機に飲食店が事業継続意欲を喪失することのないよう、政府においては万全の対策を講じて欲しいところである。

最新記事

料金プラン(法人)

料金プラン(個人)

料金プラン(法人・個人)