個人住民税の特別徴収徹底と今後の対応
最近、納税者から個人住民税の特別徴収に関する質問を頻繁に受ける。この理由は、昨年11~12月にかけて東京都内の各自治体から一定の納税者宛に「平成29年度における個人住民税の特別徴収徹底について」と題する文書が送付されたためであると思われる。
個人住民税の納付方法は、「特別徴収」(事業者が従業員に対して支給する給与等から住民税を天引きし、事業者が各自治体に納付)と「普通徴収」(従業員個人が直接自治体に納付)の2通りがある。所得税の源泉徴収義務のある事業者(給与支払者)は、特別徴収義務者として給与支払の際に個人住民税の特別徴収を行うこととされており、本規定は従前から存在していたものであるが、今後はその運用の厳格化が図られることになる。
但し、東京都内の場合、総従業員数が2名以下の場合や給与が少なくて税額が引けないなど一定の要件に該当する場合については、例外的に普通徴収とすることも可能である。
いずれにしても、これまで特別徴収を行っていなかった事業所にとっては事務負担が増えることになるので、これに備えた事前準備が必要である。