短時間労働者の社会保険料負担を支援する保険料調整制度
令和8年10月1日より、新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整をせず働くことができるよう、短時間労働者が新たに社会保険に加入したときの保険料の負担を支援する「保険料調整制度」が開始している。
まず対象事業所は、①令和8年10月1日以降、労使の合意により任意で短時間労働者を社会保険の加入対象とした事業所(任意特定適用事業所)、②令和9年10月1日以降の社会保険の適用拡大により、短時間労働者が社会保険の加入対象となった事業所、などである。また、対象被保険者は①週の所定労働時間が20時間以上(フルタイムの4分の3未満)、②標準報酬月額が126,000円以下、③学生ではない、の全てに該当する必要がある。留意点としては、令和8年9月30日以前に任意特定適用事業所になっている場合は対象外であり、また制度を利用する事業所に勤務する全ての対象被保険者に制度が適用されるため、希望した一部の対象被保険者のみ制度を利用することはできない。
次に制度概要は、制度利用から通算3年間、対象となる従業員の社会保険料が軽減される。その軽減分については、事業主が一時的に負担する必要があるが、その保険料(追加負担額)は一定期間後に還付(3カ月後の保険料額から差し引き)されるため、最終的に事業主が納付する保険料は増加せず、かつ従業員が将来受け取る年金額にも影響はない。従業員の負担軽減の割合は標準報酬月額によって異なり、例えば月収8.8万円の従業員に制度を利用した場合、1~2年目の従業員の負担額は12,500円から6,250円に軽減され、3年目についても9,375円に減少する。一方、事業主側も短時間労働者が働く時間を増やして社会保険に加入することで、ⅰ)人材の確保・定着の可能性が高まる、ⅱ)従業員の働く意欲の向上に繋がる、ⅲ)就業調整が不要になり、安定してシフトを組みやすくなる、といったメリットを享受することが期待できる。
さらに、本制度の適用を受けるためには、事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内に、保険料調整開始申出書の提出が必要である。また、任意特定適用事業所となるためには、同意対象者の2分の1以上の同意をとった上で、a)任意特定適用事業所申出書、b)同意対象者の2分の1以上の同意を示す書類、c)短時間労働者に該当する方の被保険者資格取得届、を提出する必要がある。
なお、詳細は厚生労働省のホームページを参照。






