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厚生労働省が労働保険未手続事業一掃に向けた活動を展開

 厚生労働省では、11月を「労働保険未手続事業一掃強化期間」として、全国で集中的な活動を展開する。期間中には、各種事業主団体や個別事業主への訪問指導等の強化や、事業主に対して制度の概要を説明することで自主的な手続きを促すことが行われる。併せて、労働保険制度の一層の理解・周知を目的とした広報活動や、未手続事業が多いと思われる業種別の一掃対策を強化する等の活動が展開される。

 関与先との面談の中で労務管理に話が及ぶことは頻繁にあるが、この労働保険と社会保険を混同しているケースは決して少なくない。極めて簡潔に言えば、社会保険が一般的に健康保険と厚生年金保険を指すのに対して、労働保険とは労災保険と雇用保険とを総称した言葉であり、労働者を1人でも雇っている事業は原則として強制適用事業となる。一方で、社会保険への加入義務がある法人の代表取締役、及び一人親方などの個人事業主については、労働者には該当しないため加入することができない。ちなみに、これまで新設法人の代表者や個人事業主から「加入することはできないか」「加入義務はないのか」といった質問を何度か受けたことがあり、かく言う私自身も税理士業界に入った当初、関与先から提出された給与明細を確認した後、社長の役員報酬から雇用保険料が天引きされていない旨を関与先の担当者に対して指摘してしまったという失敗がある。

 但し、労災保険については、上記の加入対象外の者であっても特別加入制度を通じて加入することが可能である。特別加入制度とは、労働者以外の方のうち業務の実態や災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することが相応しいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度であり、当所の関与先でも様々な組合を通じて加入しているケースを多く目にする。労災保険料と事務費といった支払いは発生するものの、万が一事故が発生した際に療養・休業・障害などといった様々な補償が受けられるメリットは大きい。

 労働保険への加入義務がある事業所が未加入である場合、事業主が故意又は重大な過失により労災保険の成立手続を行わない、いわゆる未手続の期間中に生じた労働災害について労災保険給付を行った場合、労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部が事業主から徴収される。また、雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金などの事業主のための雇用関係助成金については、労働保険料の未納がある場合には受給できない可能性がある。さらに、労働保険への加入義務があるにもかかわらず、その成立手続きを怠っていた場合には、政府が職権により成立手続を行い、労働保険料等の金額が決定されるが、その際の労働保険料は手続を行っていなかった過去の期間についても遡って徴収されることになり、併せて追徴金も発生する。よって未手続の事業所においては、所轄の労働基準監督署又は公共職業安定所に出向き、一刻も早く手続きを済ませることを強く勧めたい。

 なお、詳細は厚生労働省のホームページを参照。

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