相続時精算課税制度?
相続に関する税務相談の中で「相続時精算課税制度」に関する質問は意外と多い。具体的には、生前贈与対策の一環である点だけは理解しているものの、その詳しい内容がわからないといったケースである。
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の推定相続人である子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度のことである。
最も重要なポイントとしては、この制度を選択すると一定の生前贈与に係る贈与税は非課税になる。しかし、相続が発生した際には、本来の相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算する必要がある。まさに制度名称の通りであるが、一般納税者の中には贈与税が非課税になって完結するという誤解をしているケースもあるので、十分注意が必要である。
なお、この他の本制度活用に際しての留意点については、次項で説明したい。